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書籍紹介 [歴史]

だらだらと書いてきたヨーロッパ史ですが、

基本的に『詳説 世界史』山川出版社 を利用しています。
詳説世界史研究

詳説世界史研究

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 山川出版社
  • 発売日: 2008/03
  • メディア: 単行本



書きこみ教科書詳説世界史世界史B 改訂版

書きこみ教科書詳説世界史世界史B 改訂版

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 山川出版社
  • 発売日: 2007/03
  • メディア: 単行本



自分が使ってたのは2003年版で、当然売ってませんが、山川の歴史教科書は、流れを理解する分には最適です。
プラス用語集も買えば、人物や政治的出来事の背景をひとつひとつ知れて更に勉強になります。

それにしても、書き込む教科書??ってなんぞや?メモ欄が充実してるのか?

高校世界史は基本的に政治史を追うものです。
そのため、経済史についてはおろそかになりがち。

しかし、市民革命よりも、産業革命のインパクトのほうがはるかに大きかったと言われるように、経済史というのは非常に大切で、かつ面白いものです。

学部がら経済史の授業を聞くことはありましたが、正直あまり面白くはなかった。当時は、もっと実用的な知識が欲しいと思っていたからです。

しかし、卒業も間近になると、むしろ非実用的な知識のほうが愛おしくなる。どうせ働き出したら必要な実務知識は嫌でも身につく。大学で実務知識の真似事を勉強したところで、大して役に立たない。

それこそ、公認会計士試験に合格するくらいのレベルでなければ、役には立たない。

就活に資格は必要ですか?と不安になる3年生の方々、そして資格修得に躍起になっている方々。
資格はあって困るものではありませんが、人材の能力、将来性はそれだけでは決まりません。
ちなみに、転職の場合、即戦力として採用するので、資格もしくはそれなりのキャリアは大変重要です。
能力の客観的証明となるからです。

脱線しました。

さて、それならば、より世界に対する認識を深めるような、社会で役に立たないどうでもいい知識を吸収したほうが、大学にいた甲斐があるというものです。

今回は使ってませんが、古代~中世~産業革命~帝国主義~大恐慌~そして現代の経済
を連綿と記述したこちらの本、ヨーロッパ経済史、および近現代の経済史を知りたい方にはお薦めです。

閉鎖的な農業社会が、いかにして、現代のようなグローバル経済社会に変容したか。世界が、どのようにして変わってきたか。
そういったことに関心のある方はぜひ。


経済社会の興亡

経済社会の興亡

  • 作者: ロバート ハイルブローナー
  • 出版社/メーカー: ピアソンエデュケーション
  • 発売日: 2000/01
  • メディア: 単行本



ヨーロッパ史 まとめ [歴史]

西ヨーロッパ史概観

世紀ごとに出来事のみ羅列

4世紀 ゲルマン移動
5世紀 ローマ帝国の崩壊
6世紀 ゲルマン諸国成立
7世紀 イスラム教の成立 
8世紀 トゥール・ポワティエ間の戦い ヴァイキングの活動開始~11世紀
9世紀 カール戴冠
西ヨーロッパ世界の成立(政治的、文化的、宗教的に)
10世紀 フランクの分裂 神聖ローマ帝国の成立 

【中世前期の特徴】
名目だけの王と地方分権 自給自足の現物経済で、商業や交易は衰退

この間、東ローマ帝国は貨幣経済が衰退せず、世界商業の中心として大いに栄えた

11世紀 教皇権の高まり カノッサの屈辱 第一回十字軍
12世紀 十字軍 教皇権の絶頂 大学の成立
13世紀 十字軍 教皇権の衰退 マグナ=カルタ制定 議会政治の基礎ができる ドイツ大空位時代

【十字軍時代の特徴】
教皇権の隆盛と衰退 王権の強化 経済の発達(商業ルネサンス)

14世紀 教皇権衰退アナーニ事件  教皇のバビロン捕囚 教会大分裂 七選帝侯による皇帝選出
    百年戦争 ペスト流行
    ルネサンス初期~16世紀まで
    火砲の発明
    羅針盤の改良

貨幣経済の高まり 農民の地位向上 騎士の没落 中央集権化
 
15世紀 百年戦争 ばら戦争 レコンキスタ 大航海時代 活版印刷の発明 

絶対王政の礎ができる

16世紀 宗教改革とアウグスブルクの和議  反宗教改革 ユグノー戦争とナントの勅令
      イギリス国教会(イギリス絶対主義時代)
    
      大航海時代 列強による植民地獲得競争 スペインによる覇権とその終焉 オランダの覇権の時代へ
    
      地動説

【大航海時代の特徴】
商業革命 価格革命 重商主義 植民地の獲得

17世紀 オランダ独立 各国の東インド会社設立
     イギリス市民革命 ルイ14世の親政(フランス絶対主義時代) ドイツ三十年戦争 
     オランダの覇権の終焉 イギリス対フランスの時代
     魔女狩りはこの時期まで 
    
     科学革命の世紀 ガリレイ ケプラー ニュートンなど
     思想 ロック ホッブズ

18世紀 複数回の継承戦争と植民地戦争
    イギリス責任内閣制の起こり
    思想 モンテスキュー ルソー アダムスミスなど
    
    アメリカ独立戦争 フランス革命     産業革命

19世紀 ナポレオンの帝国の成立と崩壊
    保守主義と自由主義の抗争の時代
    自由主義と国民主義の発展の時代
     フランス議会帝政とイギリス政党政治 イタリア、ドイツの統一 産業革命の進展と資本主義の隆盛
     アメリカ南北戦争
    帝国主義への移行の時代 
     金融独占資本の成立と帝国主義

20世紀 ロシア革命 第一次世界大戦 世界恐慌 第二次世界大戦 
    東西冷戦 南北問題 第三世界 冷戦崩壊 広域経済統合 グローバル化 

21世紀 テロリズム 紛争 地球環境 


歴史は連続的なものです。十字軍が西欧経済を復活させ、王権を強化させた。
強まった王権と、技術の発展で、植民地時代と絶対王政が訪れる。
絶対王政はブルジョワ革命によって終わり、次第に近代市民社会が形成される。
産業革命は資本主義を更に加速させる。
自由主義が広まり、人権、参政権などが長い時間をかけて、少しずつ整備される。
貿易においても制限を排除し、自由貿易が行われる。
第二次産業革命による経済の急速な発展は、資源供給と輸出先、資本の投資先としての植民地を欲した。
かくして世界は、列強による再分割の流れ、帝国主義の時代に入る。
帝国主義のぶつかり合いは二度の世界大戦を起こした。
高度に発達した戦争において、国家同士の戦争が利益を生み出さないを知り、
世界は集団安全保障、国際経済体制のもとでの発展の形に移行する。
冷戦構造の崩壊した現代。
グローバリズムと、経済があらゆるものを支配する時代。


数百年前の人に、現在の世界を予想してみろ、と言っても、絶対に無理でしょう。
それでも、確実に、数百年前の歴史上の出来事は、今の世界の何らかの「きっかけ」になっている。

ここから先の未来も、私達には全く想像できないものなのだと思います。
それこそ、19世紀の人が、百年後には、人が月に立ち、そしてコンピュータや通信といったものが飛躍的に発展した世界を全く想像できなかったように。

    


ヨーロッパ史④ 絶対主義時代 [歴史]

西洋史つづき

【ヨーロッパ近代国家の形成】
 中央集権化が進み、各国は、市民社会への過渡期にあたる、絶対主義体制の時代に移る。
16世紀のスペイン、イギリス、17世紀のフランスが典型で、18世紀にはスペイン継承戦争でスペインが没落、かわってオーケストラ・プロイセン・ロシアが登場した。これら諸国はヨーロッパの覇権をめぐり絶えず争った
17世紀に覇をとなえたフランスは、長期の戦争による財政難になり、啓蒙思想の影響を受けた市民階級が革命を起こすに至った。
封建領主権が早くに衰退したイギリスでは、17世紀の二度の革命によって絶対主義より抜け、議会政治の国となった。

 絶対主義諸国は重商主義政策を採用し、国内では大商工業者が栄えて資本主義生産がはじまった。また市場や原料の供給地を求めて植民地獲得競争が起こり、ヨーロッパでの戦争と並行して植民地戦争が行われた。
 16世紀にスペイン、17世紀にオランダを打破したイギリスは、17世紀末から18世紀にかけてフランスと戦い、最終的に勝利を得た。
イギリスの広大な海外市場と資本の蓄積とは、18世紀後半にはじまる産業革命の誘引となり、19世紀に覇をとなえる基礎となった。


【絶対主義】
 中世以来、封建社会の変質にともない、諸侯は独立性を失い、王権による中央集権化が進んだ。
国王は官僚機構を通じて司法、行政を掌握する一方、租税制度に裏付けられた王権直属の常備軍を作った。

 絶対主義のもとでも、旧来の身分制度は根強く生き延び、領主である貴族や聖職者は、中間権力として、国王による国民の直接支配を妨げていた。彼ら特権身分は、平民のおさめる租税を免除されていたので、国王は、戦争と宮廷の維持にあてる莫大な資金をえるため、商人と手を組んだ。

 工場制手工業や、問屋制が起こり、資本家が賃労働者を雇って市場向けの生産を行う制度、つまり資本主義的生産様式がはじまった。

 絶対主義においては、富国強兵を目指して国内商工業を保護育成し、貿易の振興によって、多くの貨幣を手に入れようとした。(重商主義)列強諸国は、自国製品の輸出先として植民地を求め、激しく争った。重商主義は資本主義の発展をうながしたことから、市民階級(ブルジョワジー)は王権を支持した。しかし、政治が経済に介入するようなこの政策は、市民階級が更に成長するにつれて不自由なものとなった。彼らは政治への参加と自由な経済活動を求めて、王権と対立し、市民革命を起こすに至った。

【スペインの強盛】
大航海時代に得た広大な海外植民地
スペイン王カルロス1世(1516~56)=神聖ローマ皇帝カール5世(1519~56)
 スペイン=ハプスブルク家のはじまり フランスとの敵対

フェリペ2世(1556~98) 
1571年  レパントの海戦でオスマントルコ帝国を撃破 「太陽の沈まぬ国

【オランダ独立】
 商業の発達したネーデルラントは、新教徒が多かった。この地がフェリペ2世の統治下におかれると、フェリペは旧教化政策をとり、自治権まで奪おうとしため、反乱を招いた。
南部10州(フランドル)はスペインに屈服、北部7州は抗戦を続けた。
1581年   ネーデルラント連邦共和国独立宣言

 この反乱により、ヨーロッパでの通商・金融活動に致命的な打撃を受けたスペインの国力は、もともと国内産業の基盤が弱かったこともあって、急速に衰えた。
1588年   スペイン無敵艦隊、エリザベス治世のイギリス海軍に敗北。大西洋の制海権失う。

 その後オランダは北欧での中継貿易で富を蓄えた。
1602年   東インド会社設立
1609年   独立獲得
アムステルダムは国際金融の中心地となった。

【イギリス】
 国王は依然として、地方行政の面で州の有力者である地主階級ジェントリ(郷紳)の自発的な協力を必要とし、フランスと異なり強力な常備軍や官僚機構は形成されなかった。国教会体制の形成にはじまる宗教改革が議会の立法活動を通じて成し遂げられた点に、この国の議会制の強みがある。
15世紀末  第一次囲い込み 毛織物業の隆盛
1600年   東インド会社設立

繁栄を中継貿易に依存し、しかも連邦制のもとで、強力な中央集権力を欠いていたオランダに、この点で勝っていた。

【フランス】
1562年   ユグノー戦争 カトリックと新教徒の宗教戦争
1598年   ナントの勅令 ユグノーに信教の自由とほぼ完全な市民権

ブルボン朝の起こり
ルイ13世(1610~43)
三十年戦争 カトリック国でありながら新教国支援

ルイ14世(1643~1715) 
1648年~53年宰相マザランの強権政治に反対する高等法院と貴族が反乱(フロンドの乱)
1661年   ルイ14世の親政
1685年   ナント勅令廃止 ユグノー商工業者の大量亡命による産業発展の阻害
1701年   スペイン継承戦争 ブルボン家のスペイン王位継承 植民地戦争も連動
1715年   ルイ15世即位 長年の戦争と宮廷の浪費により財政悪化、政治不安

【三十年戦争】
1618年   オーストリアの属領ベーメンの反乱から発生
ハプスブルク対フランスの、ヨーロッパの覇権をめぐる争い
1648年   ウェストファリア条約 初の多国家間の条約
ドイツ領邦の完全な主権が認められる 神聖ローマ帝国の実質上の滅亡
スイス独立
ドイツの西欧諸国対する社会経済的な遅れが著しくなった

【オーストリア・プロイセン】
1740年   オーストリア継承戦争 プロイセンとハプスブルクの対立 植民地戦争も連動
1756年   七年戦争 ハプスブルクとフランスの同盟対プロイセン

プロイセンでは、啓蒙絶対君主のもと、上からの近代化を進めたが、失敗に終わった。


【イギリス市民革命】
1628年   権利の請願 
1649年   清教徒革命
1651年   航海法 オランダ商船のイギリスへの入港禁止
1652年   英蘭戦争
1653年   クロムウェルの軍事的独裁
1660年   王政復古
1689年   名誉革命 権利章典の制定 国民の生命、財産の保護 

議会主権に基づく立憲王政の確立 政党政治の開始

1714年   ハノーヴァー朝(現イギリス王室ウィンザー朝の祖)成立

責任内閣制の確立 「君臨すれども統治せず」の原則

参政権は大土地を持つものに限られていた

【黒人奴隷貿易】
中世以来、アフリカではアラブ商人による東海岸での奴隷貿易が存在した。
大航海時代以降、西欧列強による奴隷貿易が開始。
列強は莫大な利益を得、産業革命の条件である資本蓄積がうながされたが、逆にアフリカでは、貴重な労働力を失い大損害を被った。

【科学革命】
17世紀のヨーロッパでは魔女狩りが流行する一方で、近代合理主義の思想や学問が確立され、自然界の研究が進歩した。(科学革命)
ガリレイ(1564~1642) 地動説の証明
ケプラー(1571~1630) 惑星運動の法則
ニュートン(1642~1727)万有引力の法則
【思想】
ホッブズ(1588~1679)
ロック(1632~1704)
モンテスキュー(1689~1755)
ルソー(1712~78)
アダム=スミス(1723~90)

この後、植民地支配による資本蓄積はイギリスにおいて産業革命を起こす。
フランスでは近代啓蒙思想と国民の不満が交わり、革命に至る。
新大陸アメリカでも独立の気運が高まっていく。

こうして時代は、近代市民社会への変革期に移っていく。




ヨーロッパの歴史③近代初期 宗教改革まで [歴史]

西洋史つづき

【中世の終焉と近代ヨーロッパの幕開け】
 中世社会はカトリック教会の権威と封建制度によっておさえられていたが、十字軍のころから商業が復活し、自由の機運が起こる。
やがてイタリアを中心として、古典研究にもとづくヒューマニズムを根本精神とするルネサンスが成立し、16世紀にはアルプス以北におよんだ。
 ルネサンスによる技術や科学の進歩は、アジアとの直接貿易を希求し、大航海時代に至る。
この運動は、世界商業の成立とヨーロッパ人の活動の舞台の拡大をもたらし、非ヨーロッパ世界にも大きな影響を与えた。
 ドイツでは宗教改革が起こり、大きな社会的変革を起こした。

【ルネサンス 14世紀~16世紀】
 中世の古典文化は、教会の権威や教義を支える手段にすぎなかった。これに対して、ルネサンスは、ギリシア・ローマの古典文化を深く研究することにより、自己の品性を高め、人間らしい生き方を追求しようとした。
 ルネサンスの担い手は都市の教養人で、大商人や教皇などの保護のもと活動していた。そのため、ルネサンス文化は一種の貴族性をおび、現存の政治・教会・社会体制を正面から批判する力とならなかった

ルネサンスの三大発明 火砲(火薬) 羅針盤 活版印刷の発明
コペルニクス【1473~1543】地動説の提唱 科学精神の復活

【大航海時代 15世紀末~16世紀】
海外進出の要因
都市の興隆を背景とする企業心の高まり
中央集権をめざす君主の財政的要求
加えて、
イベリア諸国の場合、
レコンキスタで培われた異教徒制服への戦闘的なキリスト教精神

十字軍以来、マルコ・ポーロの『世界の記述』などで、アジアの富や文化に対する関心が強まり、地理的知識が広がった。
そして、羅針盤の改良、帆船の改良、航法の進化などで遠洋航海が技術的に可能になった。

14世紀以来、肉食が西欧に普及すると、香辛料の需要が高まり、香辛料は莫大な富を生んだ。
イベリア半島の君主たちは、直接、香辛料貿易の利益にあずかろうとし、大西洋に注目したのである。

1492年 カリブ海エルサルバドル島到達
1498年 インドのカリカット到達
1500年 ブラジル漂着
1519年 マゼランの世界周航 大地球形説を証明

【商業革命と価格革命】
 これら新航路の開拓は、西欧における遠隔地貿易の中心を地中海から大西洋に臨む国へと移した。商業の規模も、ヨーロッパを超えた世界的広がりを持つようになり、商品の種類にも取引額にも変化が起きた。(商業革命)このような世界商業圏の形成は、すでに芽生え始めた資本主義経済に、広大な海外市場を開くことにより、その発達をおおいにうながした。
 新大陸からの安価な銀の大量流入は、ヨーロッパの物価を2~3倍に引き上げた。(価格革命
固定地代で生活する領主は、この物価騰貴で打撃を受けた。
西欧諸国では商工業が活気をおびた反面、東欧諸国は経済面で西欧に穀物を輸出する地域となり、農民の農奴化が進展した。

【宗教改革】
 教会の腐敗 贖宥状の乱売。教会への喜捨による功績で罪が赦されるという教えが、金集めに利用された。
1517年  ルターによる95か条の論題
1524年  ドイツ農民戦争 過激派と農奴による反乱
1555年  アウグスブルクの和議  諸侯はカトリックとルターいずれかを採用可能に

反宗教改革  カトリックの内部改革と新教派との宗教戦争

中世~17世紀 魔女狩りの流行 近代初期の宗教対立によって輪をかけられた。


 

ヨーロッパの歴史② 中世の終焉 [歴史]

西欧史つづき

中世後期

【封建制・荘園制の崩壊】
 貨幣経済が発達すると、貨幣を欲する領主は、賦役をやめ、直営地を農民に貸し出し、地代を生産物や貨幣でとるようになった。
農民は、生産物を市場で売って貨幣を蓄え、次第に経済的に向上していった。1348年のペストの大流行で人口が激減すると、農民の身分的束縛を緩めるようになり、農民の地位は高まって、しだいに自営農民に上昇していった。この傾向は貨幣地代が発達したイギリスで顕著であった。
 一方、騎士のなかには国王や大諸侯に所領を没収されるものが多く、火砲の使用などによる戦術の変化が騎士の没落をうながした。また国王は国内市場統一をのぞむ市民と協力して諸侯をおさえ、中央集権を図った。こうして地方政治の実権をうばわれた諸侯や、かろうじて没落をまぬがれた騎士は国王の廷臣となり、農民から地代を取り立てるだけの地主となっていった。

【イギリス】
1215年  マグナ=カルタ成立 新課税は高位聖職者、大貴族の集会の承認を要する、教会や都市の特権を尊重し、商人の自由交通を許す
1265年  パールマン設立 イギリス議会制の萌芽
1295年  模範議会招集
14世紀半 上下院の成立

【フランス】
フィリップ2世の治世(1180~1223)第三回十字軍、アルビジョワ十字軍(異端討伐)
聖王ルイ9世の治世(1226~1270) 第六、七回十字軍
1302年  三部会招集

【教皇権の衰退】
11世紀末にはじまった十字軍は13世紀末まで、200年にわたって続いた。末期には教皇権は衰退した。

1309年~1377年 教皇のバビロン捕囚
1378年~1417年 教会大分裂

【百年戦争(1339~1453】
フランス王はその諸侯領であるフランドル地方を直轄支配しようとしたが、イギリスは羊毛輸出国としてその地に大きな関心を持った。
カペー朝が断絶し、ヴァロワ朝が建つと、英王エドワード3世は母がカペー家出身であることから王位継承権を主張、フランドルの内乱をきっかけに百年戦争が勃発した。
1339年  開戦
1348年  ペスト大流行
1358年  ジャックリーの乱(農民一揆)
15世紀初めジャンヌ・ダルクの登場
1431年  ジャンヌ・ダルク火刑
1453年  イギリス軍を駆逐、百年戦争終結

長期の戦争でフランス諸侯・騎士の力は著しく弱まり、王権はますます強大になった

【ばら戦争】
イギリスでのランカスター、ヨーク両家による王位争奪の内戦

1455年  開戦
1485年  テューダー朝成立 反乱者は処罰し、絶対王政の基礎をつくる

【イベリア半島】
1492年  イベリア半島におけるイスラム教徒最後の拠点、グラナダを占領、レコンキスタ(国土回復運動)の完了

【ドイツ】
1256~73年  皇帝不在の大空位時代
1356年    皇帝選出資格を聖俗の七選帝侯に認めた
15世紀    ハプスブルク家から皇帝輩出
300の地方主権(領邦)が乱立する国家に。

東方植民。西欧とは異なり、領主権と農奴制強化

【イタリア】
多数の都市国家成立

【文化】
12世紀末   大学の成立
中世は神学の権威のもと、合理的学問が発達しなかった。哲学も停滞し、自然科学の衰退も甚だしかった。
13世紀以降、イスラム科学の影響が次第にあらわれた。


西欧を代表する二つの国は、長期の戦争の後に、絶対王政の礎を築いた。こうして中世が終わり、近代へと移り変わる。

ヨーロッパの歴史 ①中世の起こり~十字軍 [歴史]

ふと思いつきで、西洋史を概説したくなりました。

いえいえ、今の世界ができた連綿とした歴史の背景やらは面白いんですよ。
西洋史を理解することは、中世ヨーロッパっぽいフィクション、ファンタジーのより一層の理解にもつながります。
趣味と実益をかねる?かもしれません。

【古代の終焉と中世のはじまり】
ヨーロッパ中世はゲルマン民族の大移動をもって始まる。
大移動以前のヨーロッパには、ケルト民族が住んでおり、また、帝政ローマの支配域でもあった。

4世紀後半 アジア系フン族の侵入
375年   ゲルマン諸民族の大移動開始(ブルグント、アングロ=サクソン、ヴァンダルなど)
476年   西ローマ帝国の滅亡
493年   ローマは東ゴート王国の支配下へ
5世紀末  メロヴィング朝フランク王国がガリア統一
555年   東ゴート王国滅亡
フランク、アタナシウス派に改宗。ゲルマン諸族は異端であるアリウス派が主流であったが、フランクがアタナシウス派に改宗したことで、フランクは西欧の中心勢力になっていく。

西方の教会、ビザンツ支配下の東方教会から分離傾向。
修道院の起こり。
ローマ教会の司教、教皇とよばれ、権威を高める。

732年   トゥール・ポワティエ間の戦い カール・マルテル、ウマイヤ朝のイスラムを撃退。
7世紀に成立した新宗教が、100年足らずでイベリア半島に到ったことは驚異的なことである。当時のイスラム勢力の強大さがうかがい知れる。
8世紀   ローマ教皇領の成立
800年   レオ三世によるカールの戴冠

カールの戴冠の意義
西欧の安定、ビザンツとは別個の政治勢力としてまとまる。
古典文化とキリスト教的要素に、ゲルマン的要素が融合して一つの文化圏が成立。いわゆる、「西欧」の成立。
ローマ教会がビザンツ皇帝から独立した地位を得たこと。すなわち、ローマ・カトリック教会とギリシア正教への二分化。

843年   ヴェルダン条約
870年   メルセン条約 フランク分割相続。ドイツ、フランス、イタリアの基礎。
962年   神聖ローマ帝国成立
歴代皇帝は、旧ローマ帝国の中心地イタリアに勢力を張ろうとし、本国をおろそかにしたため、神聖ローマ帝国は数百の領邦に分裂した名ばかりの国家と化した。
987年   カペー朝フランス成立
王領はきわめて狭く、王権は振るわず、地方分権の傾向が強かった。これが、中世の大きな特徴である。
8世紀末  ヴァイキングの移動活発化 ブリテン島に上陸。
9世紀   ヴァイキング、ロシアの起源となるノブゴロド国、キエフ公国建国

【封建社会の成立】
 8世紀以降、イスラムやヴァイキングなどの異民族の侵入が相次ぎ、人々は自衛のため、遠方の王や皇帝ではなく、付近の有力者に自分の土地を託して主従関係を結ぶようになった。この結果、有力者は多数の騎士を従えて勢力を増し、各地に城を作って諸侯として自立したため、王は名目だけで、事実上はたんなる地方の一有力者にすぎなくなった。こうして、王・諸侯・騎士のあいだには、主君は臣下に報土をあたえ、臣下は主君に忠誠を誓って軍役を主とする一定の義務を負担するという、封建的主従関係が幾層にも成立した。

 一方、外民族侵入の混乱の間に交通や商業は衰え、西欧は自給自足の現物経済を中心とする農業社会に移っていった。このなかで、王・諸侯・騎士は貴族の地位にたち、それぞれ所領を持つ領主として農民を支配するようになった。農民は賦役と貢納の義務をもち、移転の自由がないなど、様々な身分的束縛をうける農奴であった。

 教会でも聖職者の階層化が進み、11世紀から13世紀初めにかけて、教皇権力は絶頂に達した。

【十字軍】 
 封建社会の安定とともに、西欧は次第に外に向かって発展しはじめる。その最大のあらわれが十字軍である。

11世紀   聖地イェルサレムへの巡礼が増加しつつあった。当時のイェルサレムはイスラム勢力圏下にあったが、巡礼自体は認められていた。
1096年   第一回十字軍  セルジューク朝の小アジア進出になやんだビザンツ皇帝が西欧に助けを求めたことがはじまり。
1099年   聖地占領 イェルサレム王国建国
1147年   第二回
1189年   第三回 対サラディン、再占領ならず
1202年   第四回 ヴェネツィア商人の要求によりコンスタンティノープル占領、ラテン王国建国
1212年   少年十字軍
1228年   第五回
1248年   第六回
1270年   第七回
1291年   アッコン陥落 イェルサレム王国滅亡

 十字軍は一般の宗教的情熱とならんで、聖地回復に名を借りて、東西教会の統一をめざす教皇の意図や、分捕り品をねらう諸侯・騎士、商権の拡大を図る商人、負債の帳消しや身分上の自由を求める農民などの利害が複雑に絡み合って起こった。
このころドイツ騎士団、テンプル騎士団、ヨハネ騎士団などの宗教騎士団の成立。彼らは、聖地への巡礼を保護、防衛する役割を担った。
 十字軍は教皇の提唱でおこされ、一時聖地を回復したことから、教皇の権威はますます高まり、13世紀初めのインノケンティウス3世の時代に絶頂に達した。しかし、相次ぐ遠征の失敗と、指揮者である国王の活躍につれて、教皇の権威はゆらぎはじめた。
 また十字軍の輸送により急速に発展したイタリアの海港都市は、東方貿易をおおいにのばしてヨーロッパ内部との通商を活発にした。
多数の人々が東方とのあいだを往来したため、ヨーロッパ人の視野は広がり、東方の文物が流入した。こうして西欧の拡大とともに、中世世界は大きく変化することとなった。

【経済の発展】
封建社会の成立以来、現物経済中心であったが、次第に定期市が生まれた。ムスリム商人やヴァイキングによって貨幣経済も復活しはじめた。定期市は次第に都市へと発展した。(商業ルネッサンス)
十字軍の影響で交通が発達すると、都市間の交易は遠隔地にまで広がった。
領主が都市への課税を重くしようとすると、11世紀~12世紀以来、北イタリアをはじめとする各地の都市は、諸侯をおさえようとする皇帝や王から特許状をえて、次々に自治権を獲得し、自治都市となった。
イタリアでは、都市は独立共和国に、ドイツでは皇帝直属の自由都市として、諸侯と同じ地位にたった。都市は同盟を組み、政治的にも強大な勢力となった。

気候変動に伴うフン族の移動、それによって引き起こされたゲルマン人の移動と古代帝国の崩壊。
経済や文化が衰退し、暗黒の時代と呼ばれる中世のはじまり。キリスト教の負の側面が最大限に発揮された時代とも言えなくはない。皮肉ではあるが、十字軍によって、西欧の経済ネットワークは発展し、また、中央集権化の基礎もできあがっていったのである。

次回は、【中央集権国家の成立】


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